男の育児道 トップ > 不妊治療 > 不妊治療から妊娠 > 精神的に参ってしまう
治療さえ出来れば、すぐにでも子供を授かることができる。そんな安易な考えと、現実のギャップに奥さんはだんだん悩むようになってしまいました。
悩む奥さんに、追い打ちをかけるように、治療を続けている間に、まわりの友達から定期的に、妊娠のお知らせがやってくるようになりました。しかも間の悪い事に、人工授精に失敗した直後に連絡が入る事もあって、奥さんはボロボロと泣いていました。
誰が悪いわけでもないし、まわりはまわり、自分は自分と割り切れればいいのですが、なかなかそうはいきません。
こんなに頑張っているのにどうして妊娠できないのか。その思いに畳み掛けるように、友達の妊娠を素直に喜べない自分がいる事が許せなくて、自己嫌悪に陥っているみたいでした。
次第に奥さんは情緒不安定になっていきました。
奥さんはあまり笑わなくなりました。それどころか突然わけもなく泣き出したり、塞ぎ込んでしまうようになってしまいました。
どうにかしないといけないと思うのですが、今後の不妊治療の事を話そうとすると、喧嘩になったり、パニックをおこしたりして、不妊治療について触れる事がタブーになっていきました。
気分転換に外に遊びに出かけても、道端で赤ちゃんを抱っこしたお母さんを見るだけで急に情緒不安定になってしまってすぐに帰る事もありました。
丁度私の仕事も忙しくなってきた時期で、帰りも遅く一緒に夕飯を食べる事も少なくなり、会話も減りました。
こんなに苦しまないといけないなら、不妊治療なんて辞めてしまえ、子供はあきらめろ。そう言ってしまいたかったです。でもそれを言ってしまったら夫婦が終わってしまう。そう思うほど、奥さんは思いつめていて、精神的にギリギリの所にいました。